美容や健康の敵でもある「むくみ」の原因の一つが「塩分の摂り過ぎ」です。でも、ただ塩分を減らせば良いわけではなく、量よりも塩の質が大切です。
むくみ改善したければ先ずは塩を変えてみましょう!
むくみやすい方や、減塩してもなかなか改善されない方は塩を変えてみることをお勧めします。一日に使う塩の量は少量ですが、塩ってとっても大切です。
塩分の摂り過ぎがむくみに繋がる理由
むくみとは簡単に言うと「細胞と細胞の間に余分な水分が残ってしまう状態」をいいます。 血管と細胞の間では、常に水分の交換が行われています。通常、血管から出た水分は、また血管で吸収されます。 しかし、この水分の吸収が十分に行われないと血管の外(細胞と細胞の間「細胞間液」)に余分な水分が溜まってしまうことになり、結果「むくみ」になります。 この組織間液に大きく関わる成分がカリウムとナトリウムこの2つの成分で組織間液の水分量のバランスを取っています。では、ナトリウムである塩分を摂ると?
血中のナトリウム濃度が上がります。 ナトリウム濃度が上がった血液は、排出するためには体にとても負担がかかるので、体に蓄積されやすくなります。さらにナトリウムの役割でもある組織間液に水分を取り込もうとする働きが活発になります。 この時、血中ナトリウム濃度を下げるために、細胞内のカリウムが血中に飛び出し、排泄を促してくれます。=血中のナトリウムを尿として排泄してくれるのです。 体はうまく出来ていますね。水分を貯め込まないようにナトリウムが働いてくれれば「むくみ」は起きにくいです。 でも、塩分(ナトリウム)を摂り過ぎてしまうと、カリウムの役割が追い付かず結果「むくみ」に繋がってしまうのです。塩分は大切
塩分の摂り過ぎがむくみに繋がることをお分かり頂けたと思いますが、摂り過ぎが体に良くないだけ。本来、塩は人間の体にとって必要不可欠なミネラルを含む、なくてはならない存在です。
太古の昔、地球上の生物は先ず海から誕生しました。そして進化の過程で、海を体内に閉じ込めて陸に上がってきました。 赤ちゃんが育つ羊水や血液も海水と組成はほぼ同じ。病院で使われる点滴液も同じだそうです。
そして、塩は汗や尿などで身体を健康に保つ自然な排泄作用には欠かせません。 また、冷えを防ぎ、熱中症予防にもなります。
さらに、あまり知られていませんが胆汁の働きを助ける重要な役割もあります。
食べ物が酸の強い胃の中で消化されて十二指腸にくるときに、胆嚢から強力なアルカリ性の胆汁がでて消化活動をサポートしてくれます。 この時、塩分が足りないと胆汁はこの役割を十分に果たしてくれなくなるのです。
塩を控えすぎるとミネラル不足になる
五大栄養素のひとつであるミネラル。骨や歯、血液など身体を作るための材料で命を維持するために必要不可欠な栄養素であるにもかかわらず、現代人はミネラル不足だと言われています。
代表的なものとしてカルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛などが挙げられ、約100種類もあるミネラルのうち、それらを含む16種類がヒトにとって不可欠な“必須ミネラル”と呼ばれます。健康のためには、実はビタミンと同じくらい大切なのです。
こんなに重要なミネラルですが食品から摂るのが唯一の手段です。だったら「野菜や果物から摂ればいい」って思うかもしれませんが、残念ながら畑の土壌が痩せたり、農薬等の使用、加工する過程などで
ミネラルの量や種類が減っていると言われています。また、人工栽培により、旬の時期に関係なく収穫されることなども一因になっているそうです。
だからこそミネラルを効率よく吸収するためにはミネラルを含む塩が大切です。食べ物から摂取するミネラル吸収率は20~40%程度と言われていますが、塩からのミネラルは、ほとんどすみやかに吸収されます。
減塩すべきは精製塩
塩の大切さをお伝えしましたが、世の中「減塩」って言葉が主流ですよね。高血圧の方は減塩しなさいって病院でも言われたり、塩はむくみの原因にもなる。
でも、健康に悪影響な「塩分」とは自然の海の塩ではなく、塩化ナトリウムが100%に近い他のミネラルをほとんど取り除かれた精製塩のことです。
精製塩はナトリウムが99%以上で出来ているので先ほど説明した通り、摂ればとる程、水分を貯め込もうとして結果、むくみに繋がります。
さらに、この精製塩が身体に取り入れられると、万病の元と言われる活性酸素が発生すると言われています。また、塩化ナトリウムしか無いため、体内でのミネラルバランスが大きく崩れてしまいます。(ナトリウムと対をなすカリウムの存在が重要)。
そして、体内のミネラルバランスが崩れると血圧が上昇します。それにより高血圧の人が増えたため、塩の摂りすぎは身体に悪いと言われるようになったのです。決してナトリウムが身体に悪いわけではなく、ナトリウム純度の高い塩を摂取することが血圧を上げる原因になります。
身近に沢山ある精製塩
普段、そんなに塩を使ってないから大丈夫!と思うかもしれませんが、この精製塩は私たちの身近な沢山の食品に使われています。
例えばソースや味噌、醤油、マヨネーズ、ドレッシング、パック出汁などの調味料、スーパーやコンビニのお惣菜やお弁当、レトルト食品やカップラーメンなどの保存食品。もちろん飲食店で調理されるときにも使われています。
「天然塩使用」などの特別な表記がない限り、ほとんど全てが精製塩を使用しています。
なぜ?
理由は簡単です。安いから。 塩は自然界に存在するもので、昔から口にされてきました。本来、塩田などを使い、自然の力を頼りに凝縮して作ったものです。天然の塩を作るには手間がかかるため、生産者も少なく自然と価格も高くなります。私が食生活を改善する際に、一番最初に調味料の見直しを進めている理由の一つでもあります。毎日使う味噌や醤油が精製塩で作られたものでは意味がありません。
天然塩(自然塩)がお勧め
そこでお勧めなのが天然塩です。塩化ナトリウムの他、カリウムを含むさまざまなミネラルからできています。この微量ミネラルがとても重要なのです。天然塩は精製塩と異なり、ミネラルバランスが既に整っているため、体への負担はほとんどありません。
やみくもに「むくみの原因は塩分の摂りすぎ」だからと、塩を排除するのではなく、むしろミネラルが豊富な天然塩は、血液をサラサラにし、体のさびをとってくれる効果もあると言われています。
全て料理を手作りにするのは大変だと思いますが、料理で使う塩だけでも天然塩に変えることをお勧めします。
私がお勧めする天然塩は「天日干し塩」
海水が原料となる塩には大きく分けて3種類あります。天然塩、再生加工塩、精製塩。
そして、天然塩でも「天日干し」の工程方法で作られたものがお勧めです。塩のパッケージの裏には必ず「工程」が記載されいますので、完全天日干しの場合「天日」と記載されています。
残念ながら天然塩を売っているスーパーは少ないです。オーガニックを扱っているスーパーなどでは見かけますが、私はいつもネットで買っています。
まとめ
むくみの原因は運動不足や代謝の低下、同じ姿勢で長時間過ごす、冷えなど様々ですが、美容や健康の基本は毎日の食生活です。
塩は一日に摂る量を考えると大した量ではないですが、毎日の積み重ねは大きい物です。
そして、ミネラル豊富な天然塩は体に良いだけでなく、美味しいです。また素材の味を引き立たせてくれるので、塩だけで料理することが増えました。
精製塩に比べたら高価ですが、大量に使うものではないので体のことを考えたら安いものだと思います。また、美味しいので料理も簡単になり出汁やコンソメ、中華だし、ドレッシングなど買わなくなりました。
むくみ改善と予防のためにも美味しい天然塩を取り入れてみませんか?